製造工程のゴミほこり対策 (第13号)

皆さんこんにちは、平田政司です。

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◎ 本日のお題

☆☆ 給排気バランスの最適化 ☆☆

今回は、工場全体やブースの給排気バランスの最適化について
お話しします。

皆さんは他社の工場を見学したときに、外開きのドアにちからが掛かって
開けにくかったことがありませんか?

これは工場全体が負圧になっているため、ドアを開けたときに
外気が工場内に吸い込まれてドアに圧力がかかって開きにくくなる現象です。

このような工場では、開口部から屋外のほこりが常に工場内に侵入し、
工場内をクリーンに保つことはできません。

ドアを開けなくても、資材搬入口の電動シャッターが内側にへこんでいるので
工場内部が負圧になっていることがシャッターを見れば分かります。

またシャッターは下側から開くので、地面の土埃が速い風速で工場内に吹き込みます。

このような現象はなぜ起きるのでしょうか?
それは、工場の天井についている排気ファンで工場内の熱や雰囲気を
排出しているのに、それに合う量の給気がなされていないからです。

クリーン環境や暑熱対策が必要な製造工程では、見過ごされがちな工場建屋の給気についても
工場建設時から配慮しなくてはならないということです。

その給気の場所は、熱を排出するならばその熱が効率的に排出されるように
気流を考えて、給気と排気の位置を決める必要があります。
同様に、クリーン環境を維持するためには、発塵源を風下にして給気と排気の位置を
考えましょう。
たとえば溶接工程は風下で、塗装工程は風上でしょう。

この給気量と排気量はバランスを取る必要があるので、給排気バランスと呼びます。

街中のレストランでも、厨房で排気しているのに給気がないため
玄関のドアから寒い風がいつも吹き込んでいる事例がありました。

さらに悪い事例としては、玄関の扉が引き戸の場合、引き戸から外気が吹き込めないので
排水溝から下水の臭いが逆流している事例もありました。

またエアコンの近くに換気扇があるため、部屋の空調が効いていない事例も
目にすることがあります。

塗装工程の場合も、前記の工場全体の給排気バランスと同じことが言えます。
排気量に対して給気量が少ない場合、塗装ブースにほこりが侵入します。
つまり、塗装ブースがゴミの集塵機になっているわけです。

逆に給気量が多い場合、塗装ブースから塗装ミストが外に吹き出してしまいます。

最新の塗装設備では、塗装ブースもセッティングゾーンも給排気がおこなわれ、
センサーで給排気バランスを検知して給気量と排気量を自動調整しています。

しかしほとんどの製造現場では、目視で入口の給排気バランスを観察し、
手動で調整する形になると思います。

ぜひ皆さんの製造現場でも、工場全体とブースの給排気バランスを観察して
ゴミほこりの影響を排除していきましょう。

◎編集後記

今回が第13号のメルマガ配信ですが123名の皆様に
配信させていただいております。
少しずつ読者が増えており、改めまして御礼申し上げます。

内容などでお気づきの点がございましたら
どうぞお気軽にお聞かせください。

では次回もお楽しみに!

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